文鳥と暮らすひと(6)寺ピンさん

「文鳥と暮らすひと」第六回は寺ピンさんです。インタビューは2015年12月に行われました。

寺ピンさん(文鳥Cafe)プロフィール

文鳥とキンカチョウのグッズを作るクリエイター。2001年から文鳥Cafeとして活動。
文鳥Cafe http://www.bunchou.com

寺ピンさんの鳥歴から教えて下さい

一番はじめの鳥は小学校の前で売ってたひよこだったんです。当時よくありがちな。結局中ビナくらいで猫に取られちゃったんですけど。
その後セキセイインコの手乗りじゃないのを親が買ってきて。その後文鳥がうちに来たんですけどそれも小学校の頃だったかな。
それから社会人になって一人暮らしをしていた時期があってその時は文鳥は実家に預けてたんで居なかったんですけど、その後はずっと文鳥といるって感じです。

小さい頃は寺ピンさんが文鳥が欲しいと言って買ってもらったんですか?

特に言った覚えは無いです、鳥は前から好きだったですけど。
ひよこも親に駄々をこねて買ってもらいましたし。

子どもの頃に文鳥を飼ってそれから文鳥の世界にはまっていったと。

そうですね。ただ最初に家に居た2羽のメスはそれほど人間になつく感じじゃなかったんですよ。文鳥同士で仲良くて。その後に1羽で買ってきた子がすごくなついてくれて、そこからもう文鳥LOVE!って感じですね。飼ったのが最初の白2羽だけだったらそれほど文鳥にはまらなかったかもしれないです。

愛鳥・ノエルさん

ご結婚をきっかけに文鳥が増えた?

そうですね。結婚をするときに実家に居た文鳥を引き取ってきました。その文鳥はかなりおじいちゃんだったんですけど。
旦那も元々動物好きだったんですけど、文鳥もかわいいねっていう風に洗脳しました(笑)。
結婚後1年くらい働いて、その後私が会社勤めを辞めてから文鳥が増えました。結婚したのが15年くらい前なのでその1〜2年後ですね。
たまたまペットショップで買ってきた2羽が雄雌だったので巣引きをして増えました。

ノエルさんはその2羽の血筋の文鳥ですか?

日本飼鳥会の青野会長に2羽もらって孵った別の系統の子です。
東京ピイチク会に入ってから鳥をいっぱい飼っている人たちが普通に周りにいるようになって、多頭飼育するのに抵抗がなくなった感じです。
多いときは11羽いましたけど今は文鳥は2羽しかいません。

10年くらい前は鳥の情報は少なかったのでは。

そうですね、インターネットがやっと普及してきたくらいな、あまり情報がなくてメーリングリストに入ってました。山口県に知人がいて彼女にピイチク会を紹介してもらって小鳥まつりに行くようになりました。だからインターネットのおかげが大きいです。
ネットが一般的になる前には『アニファ』の「文鳥楽園」が楽しみでした。

飼鳥会などに行くのはハードルが高いイメージがあります。鳥のおじさんがいっぱいいて怖いのかなとか。

確かにマニアな人がいっぱいいそうなイメージですよね(笑)。実際は女性も多くて安心しました。
ピイチク会に入ってから青野会長に伊藤さん(=伊藤美代子さん)を紹介してもらいました。

作家活動を始めて

文鳥Cafeのサイトはいつからですか?

確か2000年だったかな。その頃は文鳥のサイトというと伊藤さんの(※Japanese Ricebird 現在閉鎖)と文鳥団地さんくらいしかなかったんじゃないかしら。
だから文鳥をもっと広めようと思ってはじめました。

最初は文鳥のマンガを作っていましたっけ。

写真のGIFアニメを作ってました。割と簡単に作れたので。今はもう動画を載せる方が簡単ですけど。

グッズを作り始めたのは?

2002〜2003年くらいですかね。伊東屋なんかに行って外国の鳥のカレンダーを買ってたんですが、やっぱり文鳥だけのカレンダーが欲しかったので自分で作りました。それ以来カレンダーはおかげさまでなんとか続いてます。
モデルがいないから新しい文鳥を飼いたいんですけどね(笑)。

最近はキンカチョウに行ってるから

そんなことないですよ?やっぱり文鳥かわいいです。

寺ピンさんの作品といえば刺繍ですが、刺繍は前からされていたんですか?

イラストが上手い人はいっぱいいらっしゃるからじゃあ私は布に刺繍をしようという考えで、短期のミシンの講座へ通ってそこからです。だから学校とかで勉強したわけじゃないです。

元々洋裁などをされてたんじゃないんですね。意外でした。

全然ダメです。巾着袋ひとつも縫えないんです。
本当だったら基礎があると、布に水通しをしてとか色々あるんですけど怖くてできません。基礎がないので既製品に刺繍しています。

ダンナさんが鳥のマンガを描いているのは寺ピンさんの影響ですか?
 →文鳥Cafe別館 ダンナの小部屋 https://ameblo.jp/dannano/

そうですね。何がきっかけだったかは忘れちゃったんですけど「描くんだったらネットで発表してみれば?」ということでホームページに載せ始めたのが最初です。今は彼の趣味というか、そんな感じになってます。

文鳥を飼ってて良かったなと思うことはありますか?

そりゃもう、いっぱいありますよ。
やっぱりなんと言っても姿形が可愛らしいし、嫌な事があっても文鳥を握っていれば忘れちゃうんですよね。あとは、一日一回は世話しないといけないんで規則正しい生活が送れるという。
文鳥って気が強くて面白いんで、いつも前向きというか励まされますね。

キンカチョウはどうですか?

キンカチョウも文鳥と似たところがあります。だからわりと文鳥とキンカチョウを一緒に飼ってる人が多いんじゃないかな。
キンカチョウも最初は自分から飼う気はなかったんですけど、飼育放棄されそうになっているキンカチョウを引き取ったのがきっかけです。それ以降あのぷうぷう声がないと物足りなくなってしまって、その引き取った子が亡くなった後に紹介してもらって今のキンカチョウが来ました。

キンカチョウってずっと鳴いてますよね。

そうですね。静かだな―と思うと食べてるか寝てるかなんで。でも若い文鳥もメスは始終鳴いてるので似たようなものかな。
(大声で)キンカの人になったわけじゃないです!
こういうことははっきり言わないと(笑)。よく誤解されるんですよ最近。「文鳥じゃなくてキンカチョウなんでしょ〜」とか言われちゃうの。でも軸足は文鳥なんで。

両方可愛がってるのは別にいいんじゃないかって思いますけどね(笑)。

逆にキンカチョウを飼ってみて文鳥の別の面に気がつくことがありました。
例えば、キンカチョウって文鳥に比べると嘴も目も小さいんですよ。キンカを見てから文鳥を見ると「なんて嘴がでかいし目のパーツがはっきりしてるんだ」と思いますし、文鳥は小さい小さいと思ってましたけどキンカチョウの方が小さいので文鳥が大きく感じるようになりました。

ノエルさんは体格が良さそうに見えますが。

そんなことないんですよ。わりと小柄です。25g無いくらいです。

ここ10年くらいで文鳥の体格が大きくなっている気がしていて、先日伊藤さんとも話してたんですけど、文鳥の顔つきが変わってきて、立派になってるっていうか。昔の文鳥はもっと嘴が短くて寸詰まりだったなぁと。

ベルギーとかオランダの血が入った子は大きいですよね。
あと前は頭がもっと丸い感じだったんですけど、平っぽい子が増えたかもしれません。
手乗り派なので顔ばかり見ちゃうんですけど体格も違うかも。

今、他に興味がある鳥は?

前はオカメインコもいいなと思ってたんですけど、脂粉の問題とかを聞くとやっぱり文鳥がいいなってことになります。庭がある家だとチャボとかもかわいいと思うんですけど、当分集合住宅なのでそれも無いかなと。

なかなか都内で鶏を飼うのは難しいですよね。

鳴き声もありますしね。ただ大きいので抱き甲斐はあると思います。

イワシャコとかは?

なかなか気が強そうじゃないですか。あの丸い体型は魅力的ですけど。
さっきキンカチョウと文鳥の違いって言ってましたけど、文鳥の羽って大人になるとツルツルになりますが、大人のキンカチョウの羽は文鳥がヒナの頃のポワポワの羽に近いんですよね。だからそういう意味ではキンカチョウもお勧めですよ(笑)。

文鳥のお迎え予定はありますか?

今いるノエルがすごくヤキモチ焼きなので彼女がいる間は難しいかなと思ってます。

キンカチョウにはヤキモチは焼かない?

あんまり気にしてないみたいなんですよね。不思議と。
もっとヤキモチ焼いて攻撃しに行くかと思ったんですけどそれほど……文鳥じゃないからいいやみたいな感じ。
長く飼ってるけど文鳥の心理は未だによく分からない。

文鳥のこういうところがお勧めというのはありますか。

鳥の割に鳴き声が小さめで耳障りではないし、予防接種もいらないし、フンも臭くないし、なんと言っても手乗りになってなついてくれるのでそこがおすすめですかね。
でもエサが散らかりますけどね。掃除が。神経質な人は駄目かもしれないです。

寺ピンさんにとって文鳥とはどういう存在ですか?

私達夫婦には子どもが居ないので子どもみたいなもんですね。
これからもよほど年寄りになってヨボヨボにならない限り文鳥を飼い続けたいです。
文鳥活動もこれから何年かしたらダンナも定年になるので、趣味としてそういう活動もしていた方がいいのかなと思ってます。

文鳥グッズを作る人が増えてきたので、すごいなーって思ってます。皆さんどんどん作りなよって思ってます。
ミシン刺繍を習っている時にも言われたんですけど、鳥っていうモチーフは造り手側にとって面白いと思うんですよね。これからも色々な文鳥作品が世に出てくるのが楽しみというか、ちょっと怖いというかそういう気がしています。

イベントにノエルも連れて行きたいんですけど、やっぱり10歳近いんで連れて歩くと疲れちゃうんですよね。だからお出かけ文鳥は引退させました。
文鳥は歳をとっても可愛いから羨ましいですよね。足が若干かさかさになるくらいで。多少羽のツヤとかは若い文鳥に負けるけど、そんなに変わらないですからね。
自分がしたいこと、好きなことに真っ直ぐなところは見ていて気持ちがいいですね。
……そうか、私にとって文鳥って羨ましい存在かもしれないですね。

(2015年12月20日にインタビュー)